「中国人向けにビジネスをしたい!」「でも何から考えたらいいのか分からない…」といった企業様に向けて、中国におけるウェブマーケティングについて、まず最初にチェックいただきたい3つのステップをポイントを絞って分かりやすくご紹介しております。
中国から見えないかもしれない、日本にサーバーを置いたウェブサイト
中国(香港除く)から海外へのアクセスは、「Golden Shield Project」、「Great Firewall of China」、「金盾」として知られているインターネットのゲートウェイにより、すべて中国政府の検閲を受けています。 これによって、中国国外でサーバーをホスティングするサイトは、
- 中国において全て、または一部が表示できない
- 表示できたとしても速度が遅くなる
等、様々なトラブルが生じる可能性があります。
中国ユーザーをターゲットとしてプロモーションする場合、中国国内・香港などでサーバーをホスティングしたほうが効果的です。また、日本においてホスティングする場合でも最低限、中国から問題なく表示されるかどうか確認したほうがよいでしょう。
中国現地法人が必要?中国国内サーバー、ドメイン取得の困難性
中国(香港除く)へサーバー移転もしくは新規開設をする場合、すべてのサイト(法人・個人問わず)ICP登録とICPライセンス番号のウェブサイトへの表記が必要になります。 そしてICP登録には現地法人・中国人IDが必須であるため中国現地法人がない日本企業にとって中国国内でサーバーを持ち、中国のドメインを取得することは出来ません。 ICPとは「Internet Content Provider」の略語で、中国政府が情報統制のため2005年2月8日から実施されている中国語サイトの管理制度です。
ICPには、非経営性(非営利性)ICP登録と経営性(営利性)ICPライセンスの2種類があり、一般的なコーポレートサイトは、非経営性ICP登録ですが、ECサイト等、決済が発生するようなサイトの場合は、経営性ICPライセンスが必要となり、同ライセンス取得は容易とはいえません。
中国現地法人を持たない企業は、これまでのように日本のサーバーやドメインでしか中国向けのウェブサイトを運営出来ないのか?
いくつか方法はあります。例えば、香港にてサーバーを持ち、ドメインも「.com」にするなどして対応していくことが可能です。法制度は刻々と変化していきますので、都度ごとに何が通用するかを確認する必要があります。
中国人が考える良いウェブデザイン
中国らしいデザインというのはよく求められる制作条件の一つですが、さて、中国らしいデザインとは何でしょう?
長い
ポータルサイトから企業サイトまで至るところのウェブサイトはとにかく「長い」です。一画面に収めることはありません。
なぜ「長い」かの理由はポータルサイトにあります。実力のある四大ポータルは揃って長いので、「実力」があるように見せたいその他のサイトもまねして、どんどん長くなったわけです。また重要コンテンツをトップに詰め込みたいと言う気持ちもあります。
光る
サイト上で動きのあるもの、flash、GIF動画、JS効果、ポップアップ、リンクまで、すべて光るのです。
なぜ「光る」のか理由は言うまでもないです。ユーザーの目に留まりたいからです。しかしむやみに光らせると逆効果です。
詰まっている
ほぼ余白がないのも特徴のひとつです。足場のない満員電車のような状態です。
なぜ「詰まる」のかの理由のひとつは中国語の特徴にあります。四角状態の漢字をいっぱい並べるとリズムのない固まったブロックに見えてしまいます。まして英語などと比べると行間が小さいため、状況は悪化します。
色が多い
日本ではサイトの配色に皆さんは知恵を絞りますが、中国ではそんな必要がありません。ほとんどのサイトの配色は一つのみです。「極彩色」です。
なぜ「極彩色」になってしまうかの理由はサイト運営側にあります。上記で説明したように、多くの要素を一つの画面で網羅しようとしているからです。元々個々に個性と配色があったのですが、一緒にすると自然に「極彩色」になってしまったのです。
上記のような特徴は最近改善されつつありますが、その影響はまだ残っています。
事実を根元から理解するためには、中国社会のあり方を理解する必要があります。物のない時代からの反動で、「多い」=「よい」、「多い」=「実力」、「多い」=「美」という思想があることを理解できれば、こういったデザインに固執するのもわかります。
もしも中国人ユーザーからデザインが淡白、インパクトが足りないなどの注文がつけられた場合、上記に書いたようなことを思い出していただければ、理解できるはずです。
ココがおかしい日系サイトの中国語
様々な日系会社の中国サイト、ネット広告を見ていると単純な「翻訳」だけで済ませたケースが多いように見受けられます。「単純な」ということには二つの観点があります。
- 現地の言葉の常識や消費者の文化や文脈を理解していない翻訳
例えば、皆様が海外旅行に行かれて、どこかのレストランに入った時、日本語に翻訳はしてあるけれども、いまいち意味が分からないメニュー表を見た時のうんざりとした気持ちを思い出してください。「こういう場合、そういう表現はしないだろう」といったネイティブの方では当たり前の感覚に沿わない表現や文字列を使用しているケースが散見されます。 - 広告的表現として適していない翻訳
同じ日本に住み日本語を使える日本人であっても、日本人の心に響くキャッチコピーや文章を書ける方がどれだけいらっしゃるでしょうか。そう考えると消費者の心に響く文言を作り出すことの難しさは想像に難くないのではないでしょうか。例えば、中国ユーザーに刺さりにくい日本語キーワードの例として、「堅実」、「歴史」、「技術」、「実績」、「一筋」、「産地」、「長持」などがあげられますが、そのような記載はされておられませんか?
なぜ刺さらないかという理由の詳細は こちら をご覧ください。
そもそもユーザーに響く文章を書くこと自体難易度が高い作業であり、それにも関わらず翻訳の不手際があるようでは本来得れる広告効果を逃してしまうことでしょう。単純な翻訳ではなく、本当に中国人に響く中国語の翻訳の必要性がお分かりいただけるかと思います。
巨大な中国検索市場を制する百度
順位 | サーチエンジン | シェア |
---|---|---|
1位 | 百度 | 83.6% |
2位 | Google(谷歌) | 11.1% |
3位 | 捜捜(sosou) | 3.1% |
4位 | 捜狗(sogou) | 1.2% |
5位 | Bing | 0.4% |
(出典: iResearch, Feb 2011)
百度は、Google AdWords同様、お客様のご予算の範囲内で、お客様の広告を、百度の検索結果ページや百度が提携するパートナーサイトの検索結果・コンテンツサイトなどの幅広い広告ネットワーク上に掲載することができる広告サービスです。
百度は、中国最大規模のオンライン広告ネットワークを保有しており、中国人インターネットユーザーの72.6% (出典: iResearch, Feb 2009) が百度にアクセスしています。
百度は中国最大の広告ネットワークを保有しており、これを利用することで、広大な中国に向けて効果的にプロモーションを実施することができます。また、百度上で検索をしたり、特定のコンテンツサイトで表示される広告をクリックするユーザーは、そのキーワードに関連する情報や商品を探しているといえます。このように興味関心の高いユーザーに向けて広告が表示されますので、高いコンバージョン(購買・資料請求・問い合わせ等)が期待できます。
少額から中国市場に参入出来る、か?
成果をあげることが出来る可能性があることを前提として考えた場合、少額での広告出稿で本当に中国市場に参入出来ると言えるか?と問われれば、私たちは回答に窮します。確かに百度リスティング広告は、少額から出稿することも可能ではありますし、自社内に担当者を設置して運用を任せるのであれば、スモールスタートは正しい選択です。
データ取得を目的とするなら問題はありませんが、小額・短期間で百度リスティングに出稿したとしても、多くの場合において企業様が望まれる結果には至りにくいと考えております。
故に、中国市場への参入を検討される企業様にはある程度のご予算を設定いただいた方が良いでしょう。これは百度に限らず言えることですが、サイトローンチは目に見えやすいのですが、立ち上げ後の運用についても一点のロードマップを敷いて取り組んでいきたいものです。