本来の競争力をウェブで適切に伝えるためのコミュニケーション戦略
中国の経済成長とともに、精密機器部品、ハイテク製品、環境技術装置など、日本企業の持つ製品へのニーズも増加しています。しかし、本来市場では競争力のある製品であっても、ウェブで検索しても検索結果に表示されなかったり、製造業に疎いウェブ会社が制作した多言語サイトであった場合、適切に製品の強みやメッセージを伝えきれていないケースがあります。
中国語サイトの現状として、独自のインフラに対するハード的な適応は進んできていますが、コンテンツ量が絶対的に不足している事がほとんどです。
これら量的な不足は誰にとっても見えやすい事ですが、その解決過程では基本的なコミュニケーション戦略が欠けてしまわないように注意しなければなりません。
日本本社のサイトコンテンツや営業部資料を集約するまでは担当者の努力でひと通り揃えられるかと思いますが、中国市場に向けた内容の適切化や、問い合わせ手段を適切化することも、顧客獲得に繋がる“線”を考える上で必要になってくることです。
また、ウェブでターゲット市場に向けた製品・技術のアピールを行うのは当然のことながら、例えば中国現地法人やパートナー企業を内側からサポートできるコンテンツを用意することで、発生しがちなコミュニケーションの溝を補間し、事業の屋台骨を厚くする事が可能です。
「リクルート情報だけ省いて、あとは日本語版のコピーでとりあえず中国語化を」は、立ち上げフェーズの行動として特に問題はないと思います。しかし、これらウェブ自身の充実・ローカライズの前提として、中国語ウェブ自身の役割(=誰に対してどういうメッセージを伝え、コミュニケーションするのか)を明確化しておけば、販売店網への情報提供か、中国独自のサポートか、現地事情に合わせた技術カスタマイズか、どの分野のコンテンツを補強していくか、ロードマップを描きやすくなります。
大手機械メーカー 事例
インナーブランディングと顧客獲得のためのウェブコミュニケーション設計
■依頼の背景
現地社員1000名以上に自社のブランドを理解して欲しい
中国現地に工場と営業拠点を設け事業拡大を図った結果、社員が1000名超える規模になっていた。しかし、社員は自社のことをあまり理解しておらず、全社ビジョンが伝わっていなかった。大規模になった組織を一つにまとめるために社内に向けたインナーブランディングが必要。また、中国現地の販売を拡大していくためにウェブコミュニケーションを充実させたいという要望も。
■プロジェクトの主要課題
社員の会社に対する理解を深めつつ、顧客の販売も促進していけるようなウェブコミュニケーション設計
■実行内容
全社で共有したい価値観や理解して欲しい商品情報の特徴等を確認
重要キーワード選定からSEO施策立案
中国市場に合わせたウェブコミュニケーション設計
■効果、成果
現地社員のブランドに対する理解と満足度が向上
問い合わせ増加
問い合わせからの受注増加