先月6月22日にアリババはTaobao Open Platform(略称TOP)を発表しました。同社の「大TAOBAO戦略」の正式始動とも言えるような出来事です。新しい企業スローガン「Powered by Taobao」も同時に発表されました。
これまで出店料が無料だったため、赤字が続いているTAOBAOは、昨年8月からはじめて収支均衡の状態となりました。年末にさらにアリババから50億元の追加投資の計画が発表され、「大TAOBAO戦略」の構想を打ち出しました。具体的な方向性としては主に以下の三つがあります。
外部の独立店舗導入
TAOBAOが億単位のユーザーを有するのは周知のことですが、その他TAOBAO自身も同時に数百万の店舗を抱えています。売り手としても実にさまざまなニーズがあります。特に大企業などハイエンドのユーザーは店舗に対しての要求が高く、今後店舗毎により柔軟性を持たせて、外部の独立店舗をTAOBAOに導入させるようになるのはこれからの大きな方向性の一つです。具体的な取り組みには下記のようなものがあります。
- 店舗を完全にカスタマイズ化
- 業務流れを完全にカスタマイズ化
- プロモーションを完全にカスタマイズ化
- 品目拡張機能を完全にカスタマイズ化
記事最後のTAOBAO宣伝用の画像にUNIQLOのロゴがありました。実際に独立店舗導入のイメージを説明するため、ユニクロが例として上げられました。そのほか画像にあったShopEXは中国国内ECショップ用のオープンソースプログラムです。
SNSにECを導入
価値の高いSNSサイトのトラフィックをECに利用させるのが目的です。具体的な取り組みは下記のようなものです。
- 大型SNSにECショップ導入
- 中小のコミュニティーサイトにアフィリエイトを導入
- webゲームに広告導入
- SNSのプラグインにECの要素を導入
ネットゲーマーやコミュニティーサイトのユーザー数がほかの国と比べると圧倒的に多いという中国らしい事情があります。画像にあるphpwindは中国国内で人気のコミュニティー用オープンソースプログラムです。
サードパーティが開発したプラグイン
サードパーティに公開したAPIはプラットフォームを問わず、売り手向けのプラグインと買い手向けのプラグインの開発は完全に自由です。サードパーティの営利モデルはプラグインソフトの販売や、店舗と一定の割合で利益をシェアするような形です。具体的な取り組みには下記のようなものがあります。
- 売り手向けに店舗管理、商品展示方式、プロモ管理、物流管理などのプラグインを提供
- 買い手にプラットフォームを跨るTAOBAOで買い物できるプラグインを提供
- ネットブックや3G携帯などこれまでECが入っていないデバイスもサポート
- プラットフォームはテスクトップ、ブラウザ、携帯など完全にサポートしていると公表されています。