太平洋海底の光ファイバとGolden Shield Project
中国で生活している外国の方は中国のネットスピードが遅いことに気がつくと思います。
中国国内のネット回線の問題は一因に過ぎません。海外への通信、特に欧米への通信が遅いのは太平洋海底の光ファイバーを通さなければならないからです。2006年に台湾付近の地震の影響で光ファイバーが壊れた結果、地震前の通信スピードに戻るには約1ヶ月かかりました。
しかし、光ファイバーも決定的な原因ではありません。海外へのアクセスが遅い、一番の要因はGolden Shield Projectとして知られている中国側のネット検閲システムの存在です。Golden Shield Projectは通称Great Firewall of China、略称GFWです。
GFWの威力を試してみよう
Google中国のキャッシュリンクはGFWのブロック対象になります。
中国にいるときに、Google中国で任意のキーワードで検索して、キャッシュリンクをクリックしてみてください。サーバーへの接続が瞬時リセットされるはずです。さらにその後GFWからのペナルティとして、ネット自体にアクセスできなくなります。初めての場合、アクセス不能の状態は約2分間続きます。懲りずに同様の行為を繰り返したら、次にアクセスできなくなる時間帯は5分に引き伸ばされます。
オリンピックでの対策
オリンピックを控えている中国は、外国の観光客やメディアの反感をかわないため、GFWにもオリンピック対策を施しました。
http://hk.yahoo.com/ ヤフー香港
http://tw.news.yahoo.comヤフー台湾
http://googleblog.bl
http://news.bbc.co.u
などのサイトは一時解禁になりました。
http://www.msn.com.t
http://pages.google.
http://sites.google.
などのサイトは依然ブロックされたままです。
また、最近のGFWは、特定のネットバー、ホテル、会議センターなど、オリンピック期間に外国人が集まる場所の検閲を解除しています。オリンピック期間に各国から来てくれる外国の方にとって、中国の一般民衆と接点がなければ、GFWの不便を体感するチャンスはないかもしれません。