ネット販売の拡大により、中国には奇妙な職業、プロの「購買代行」人が出現しました。なぜそういう職業が出現したというと
1.海外からのブランド品の購入は、中国国内で買うよりかなり安くなります。特に欧州では、12%~16%の 高い税金の払い戻しがあるので、ある商品を買うと、中国国内で購入するより40%ぐらいに安くなることもあります。
2.中国国内で買えない新商品、たとえばIPhone、PS3、Wiiなど、海外の購買代行者を経由していち早く購入することできます。
多くの海外にいけない中国人は、海外にいる自分の知り合い・友達に頼んで、海外から物を買います。プロの「購買代行者」が出現するわけです。中国のB2C最大手タオバオ(TAOBAO)で「香港購買代行」を検索すると、25460件検索結果が出てきます。「日本購買代行」の検索結果は32791件です。
現時点では、中国向けのネット販売は法律、物流などの面でクリアしにくい条件がたくさんあります。代わりに購買代行者向けに何かができたら、新しいタイプのビジネスを創出できるかもしれません。
■ 購買代理業者が強くなる背景には、情報化によって顧客に情報がふんだんに伝わるようになって、生産者からの単純なプロモーションにはのらないようになってきたからである。
■情報化にともなって顧客側が持つ情報量が増えるが、顧客に関する情報の流通と顧客の認知力には制限があるために、顧客側により近い購買代理業者の力が相対的に強くなる傾向がある。
國領 二郎 氏の著作より