中国ウェブデザイン:特徴と根源

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中国らしいデザインというのはよく求められる制作条件の一つですが、さて、中国らしいデザインとは何でしょう?

まずはよくないところから紹介しましょう。

■長い
ポータルサイトから企業サイトまで至るところのウェブサイトはとにかく「長い」です。一画面に収めることはありません。

なぜ「長い」かの理由はポータルサイトにあります。実力のある四大ポータルは揃って長いので、「実力」があるように見せたいその他のサイトもまねして、どんどん長くなったわけです。また重要コンテンツをトップに詰め込みたいと言う気持ちもあります。

■光る
サイト上で動きのあるもの、flash、GIF動画、JS効果、ポップアップ、リンクまで、すべて光るのです。

なぜ「光る」のか理由は言うまでもないです。ユーザーの目に留まりたいからです。しかしむやみに光らせると逆効果です。

■詰まる
ほぼ余白がないのも特徴のひとつです。足場のない満員電車のような状態です。

なぜ「詰まる」のかの理由のひとつは中国語の特徴にあります。四角状態の漢字をいっぱい並べるとリズムのない固まったブロックに見えてしまいます。まして英語などと比べると行間が小さいため、状況は悪化します。

■色が多い
日本ではサイトの配色に皆さんは知恵を絞りますが、中国ではそんな必要がありません。ほとんどのサイトの配色は一つのみです。「極彩色」です。

なぜ「極彩色」になってしまうかの理由はサイト運営側にあります。上記で説明したように、多くの要素を一つの画面で網羅しようとしているからです。元々個々に個性と配色があったのですが、一緒にすると自然に「極彩色」になってしまったのです。

上記のような特徴は最近改善されつつありますが、その影響はまだ色濃く残っています。

事実を根元から理解するためには、中国社会のあり方を理解する必要があります。物のない時代からの反動で、「多い」=「よい」、「多い」=「実力」、「多い」=「美」という思想があることを理解できれば、こういったデザインに固執するのもわかります。

もしも中国人ユーザーからデザインが淡白、インパクトが足りないなどの注文がつけられた場合、上記に書いたようなことを思い出していただければ、理解できるはずです。

中国最大のポータルサイトSOHUのトップキャプチャとURLを記します。興味があれば、上記のような特徴を体験してください。
www.sohu.com
sohu

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