中国クライアントから「資料のダウンロードがお遅い」というクレームを受けている日本の担当者が結構いると思います、日中間の通信トラブルのほかに、中国独特な南北問題もあります。それらを解決しない限りは、快適な訪問やダウンロードは実現できないです。
中国の南北問題とは
中国にはチャイナ・ネットコム(中国網通)とチャイナ・テレコム(中国電信)の2大通信キャリアがあります。現在中国で主流なインターネット接続方式はADSLで、最高スピードは8M/秒ほどです。実際の体感スピードはもっと遅くなります。また、2つの通信キャリア間の通信は極めて遅くなります。
チャイナ・ネットコムのサービスエリアは北京市や天津市など、中国の北部地域を中心としています。一方のチャイナ・テレコムは、上海市や香港など比較的南に位置する地域を中心としています。
中国の南北問題の解決方法
■通常企業サイトの場合
通常の企業サイトならば、南北問題を解決するには、両キャリアの回線を引き込んでいる「キャリア・フリー」と呼ばれる中国のデータセンターでホスティングすれば、両方からの訪問スピードはバランスよく実現できます。
■資料・動画ダウンロードがよく発生するサイト
商品の説明やカタログのダウンロードなどウェブを活用して、営業サポートしているサイトも多いですが、中国側の企業も南北問題を直面しています。では彼らのサイトはどのような対策が取られているでしょうか。以下中国大手オンラインソフト紹介するサイトWWW.SkyCN.COM(日本と言うと窓の森)の例を挙げて、解決方法をご紹介します。
上図のようにサイトのエントランスのところに本サーバー、電信ミラーサーバー、網通ミラーサーバー三者が選べるようにしています。そのようにするとそれぞれの回線のユーザーは快適なスピードで訪問できるわけです。
またソフトダウンロード画面に進むと、ダウンロードの回線や接続地域までが選べます。業務の中心はダウンロードだからこその作り方ですが、ユーザーによい環境を与えるためには、勉強になる手法です。
最後結論としては、もしも現地クライアントから資料・動画のダウンロードが遅いというクレームがあったら、原因は南北問題であれば、まずはキャリアフリーのご利用を検討、さらにユーザー体験を改善したければ、電信と網通それぞれのキャリアにミラーサーバーを作り、ユーザーが選べるようします。まだ予算が許せば、北京、上海、広州などの重要拠点にダウンロード専用のサーバーも開設すれば、完璧になります。