チャイナテレコムとチャイナユニコムの独禁法違反疑惑

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中国国家発展改革委員会価格監督検査・独占禁止局は9日、同委は中国電信(チャイナテレコム)と中国聯通(チャイナユニコム)のブロードバンド接続独占疑惑を調査中で、間もなくその結果を発表する。
朝日新聞より

上記はいま中国で大変話題になっているニュースです。表に出たニュースは以上ですが、それだけでは面白くないです。今回国の調査で浮上した裏事情があります。ウェブと関わる関連事情をピックアップさせていただきます。

世界で最もはるかに遠い距離とは?

中国で流行っている言い方ですが、「世界で最もはるかに遠い距離とは?それはチャイナユニコムとチャイナテレコム間の距離ほかならない」。実は中国の上記2大ブロードバンドプロバイダーが提供しているインターネット接続サービスはお互い訪問するスピードが非常に遅いです。

今回の調査で情報産業部が発表したデータでは、チャイナテレコムとチャイナユニコムがお互いに訪問できる帯域はわずか261.5Gでした。両者の国際帯域は1078Gですから、前者は後者の24.3%しかありません。また接続の安定性からみても、両者間の接続の遅延(ディレイ)87.7ms-131.3msパケットロス率0.2%-1.9%、いずれも情報産業部が定めた85msと1%以下の基準を満たしていないです。

どういうことかというと、チャイナテレコムとチャイナユニコムのユーザーがお互いに訪問するときは、海外へのアクセスよりも遅いという状況が発生します。一般庶民に「世界で最もはるかに遠い距離」と呼ばれても不思議ではありません。

三網融合

三網融合とは、電気通信、ラジオ・テレビ放送、インターネットの3つのネットワークを統合するという意味です。いま中国の国策のひとつとして取り組まれています。

今回の騒ぎは、CCTVが一番早く報道しています。CCTVの親元は中国広電総局ですから、ある意味、今回の取調べも、テレコム・ユニコム(中国聯通)の親元の情報産業部と中国広電総局がバトルしている形です。つまりラジオ・テレビ放送対電気通信・インターネットということですね。

三網融合のため、テレコムはテレビが見れるITVも含めたインターネット接続サービスを提供しはじめました。これまでテレビのほうに収めた視聴代金がいらなくなったということになりました。庶民レベルで収める費用をみるとわかりやすいかと思います。

■三網融合前
インターネット通信代金 199元/月 → 情報産業部管轄企業
有線テレビ代金 30元/月 → 中国広電総局管轄企業

■三網融合後
インターネット通信代金  199元/月 → 情報産業部管轄企業

今回の独禁法違反調査の結果がどうなるかわかりませんか、インターネットの接続スピードが向上するのと、利用代金がやすくなるのは期待できそうです。いずれもウェブ関連にとってはいいニュースになりそうです。

中国インターネット接続

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